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2024年 アウトルック
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2024年1月11日

2024年もプライベート・エクイティ・ファンドによる取引が活発化し、プライベート・クレジットを下支えする環境が続く見通し

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2024年1月11日

2024年もプライベート・エクイティ・ファンドによる取引が活発化し、プライベート・クレジットを下支えする環境が続く見通し


2024年 アウトルック

2024年もプライベート・エクイティ・ファンドによる取引が活発化し、プライベート・クレジットを下支えする環境が続く見通し

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2024年1月11日

 
要旨
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支払利息を管理し、キャッシュフローを増加するために、企業がより一層ジュニア・キャピタル・ソリューションを求めるようになっています。

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私たちは、ソフトウェア、保険、住宅サービスといった非シクリカル・セクター企業への貸出にフォーカスしています。理由としては、こういった企業は、一般的に景気サイクルを通じてキャッシュフロー水準を維持できる傾向にあることが挙げられます。プライベート・エクイティ・ファンドによる取引が活発化し、プライベート・クレジット市場を下支えする環境が続くと見ています。

 
 

現在の状況

2023年のプライベート・クレジットは、変動金利のシニアローンの利回りが魅力的な水準(11~12%程度)にあることや、株式の寄与度の大きい案件の存在、事業の質が高かったこと、デフォルト率の低さ等を背景に、投資家にとってゴルディロックス(適温)の環境になりました。借り手は、プライベート・クレジット・ソリューションのスピード、確実性、柔軟性を引き続き評価しています。資金調達コストの上昇により、経年化したローンの一部の借り手にとっては厳しい状況となっているものの、これまでのところデフォルトはほとんどなく、貸し手と借り手の間でこれまでと変わらない相対取引が行われています。

支払利息を管理し、キャッシュフローを増加させるために、企業はますますジュニア・キャピタル・ソリューションを求めるようになっています。企業がリファイナンスを検討しているため、この傾向は継続するでしょう。

 

投資行動

これまでと同様、私たちはセクターの分散を重視したポートフォリオを維持することに重点を置いています。また、極端にシクリカルで資本集約的な事業への貸出を避け、ソフトウェア、保険、住宅サービスなど、非シクリカル業界の企業への貸出にフォーカスしています。理由としては、こういった企業は、一般的に景気サイクルを通じてキャッシュフロー水準を維持できる傾向にあることが挙げられます。金利上昇により特定の借り手、特に古いビンテージにおけるローンの借り手への圧力が高まっています。

借り手サイドのニーズとして、金利上昇により、バランスシートを強化し、有担保シニアローンの利用可能枠減少に対応するためのキャピタル・ソリューションに対する需要が高まっています。私たちは、魅力的な利回りでキャピタル・ソリューションを提供できる投資機会を獲得できるよう、市場を引き続き注視しています。
 

現在の注目点

デフォルト率とワークアウトの状況を引き続き注視しているものの、当資産クラスはバブルではないと考えています。金利上昇により、債務返済額が約50%増加した企業も見られたものの、これまでのところデフォルト率は比較的低水準で推移しています。金利が安定し、低下に転じれば、より古いビンテージにおけるローンへの圧力が低下する可能性があります。しかしながら、キャッシュフロー創出とマージンの安定には、経済全体の健全性の方がより重要であると考えます。

世界金融危機時もプライベート・クレジットの取引は堅固でした。そして、当資産クラスは成長を続けています。過去数年と比べると、2023年は正常化に向かったといえます。2024年はプライベート・エクイティ・ファンドによる取引が活発化し、需給バランスの均衡化に伴ってプライベート・クレジット市場を下支えする環境が続くと予想しています。

 
 
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金利上昇により、債務返済額が50%程度増加した企業も見られたものの、これまでのところデフォルト率は比較的低水準で推移しています。金利が安定し、低下に転じれば、より古いビンテージのローンへの圧力が低下する可能性があります。しかしながら、キャッシュフロー創出とマージンの安定には、経済全体の健全性の方がより重要であると考えます。
 
 
david.miller
プライベート・クレジット&エクイティ運用部門責任者
 
 

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